光沢剤について

めっき業界ではちょっと有名な硫酸銅めっきの光沢材のお話です。
まず、「硫酸銅めっき」とはいったいなんでしょうか?
主要な成分は、硫酸銅と硫酸で、微量の塩素イオンから構成されています。
現在では、数種類の添加剤が光沢材、平滑材として添加されています。
アメリカでは1960年頃に硫酸銅めっきの光沢剤が開発されていて、この光沢材はセレンディピティーから開発されたものです。
光沢材の発見は偶然なものでした。
当初、銅めっきをする時に陽極には金属銅が使われていましたが、均一には溶解せず、電解に伴ってアノード近傍からスライムが生じてこれが溶液の中に拡散してしまうとザラザラになってしまうのです。
よって、通常はアノードバックを付けるのですが、たまたま新しくめっき浴を作っていざという時にアノードバックがなかったそうです。
そこでセーターの袖を切り取って当座のしのぎにとアノードバックの代わりに使ったところ、すばらしい光沢の銅めっきが得られたのです。
これは、セーターの袖から染料が溶け出して光沢を向上したというものでした。
光沢材はこのような偶然に起きたことがきっかけで開発が進んでいったのです。
 

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